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2014年02月02日(日)

女性とトランペット

時々うちに来られるアーティスト(画家、版画家)の彼女はトランペット奏者です。先日その彼女と話をした時、彼女は、まだ日本では珍しがられると言います。そうでしょう、女性のトランペット奏者を知りませんでした。トランペットは日野皓正にしてもルイ・アームストロングにしても、リスがクルミを喰い過ぎた時のように両ほっぺを一杯に膨らませる顔は、女性はしないだろうと勝手に思っていました。しかし彼女は芸大を出て、オーケストラからオファーがあって、いつも吹いているそうです。しかし真剣に悩んでいるようで、それは、あの楽器はやはり男性のもの、というのは顔の問題ではなく、体格の問題のようです。そして、もともと欧米人の体格で出来た楽器で、そもそも日本人にも合わない、ということのようです。そして、転向するのかどうか知りませんが、絵画の修復の勉強を始めたそうです。女性で、オーケストラからもオファーがあるくらい力もあるなら、珍しがられて、適当に吹いていれば、それなりにやっていけるのに、その楽器と真剣に向き合い悩む姿には、衝撃的な感動すら覚えました。翻って建築を見てみると、そんなに真剣に向き合っているひとはいなさそう。気楽ですね、建築は。「食うため」という大義を掲げていれば、「向かない」ということから、実は逃れられるのです。「食うため」の方が「向かない」のにやっているより、どんなに楽か。考えたことあります?


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