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2014年02月08日(土)

ゴーストライター

久々に面白い「事件」です。偽作曲家のゴーストライターが現れて、すべてをすっぱ抜いた話。この話からは何十と言うテーマや話題が引き出されますが、あらゆるメディアが取り挙げているので任せておきますが、一言、「NHKに音楽のわかる人いなかったの?特集まで組んじゃって」と言いたいです。というのは、ある音楽家が「あの曲大したことないよ」と言ったことがゴーストライターに名乗り出るきっかけを作ったとか言われているので。

で、翻って建築を考えてみると、ちょっとあり得ないと思うでしょうが、建築にもあるのです。ただしゴーストライターとは言いません。ある日、ある有名スター建築家の事務所に勤める若い建築家が訪ねてきて、「あの雑誌に出ている作品は、はじめから私がエスキースして、ボスはただチェックするだけで何も作品には手を加えていない。あれは僕の作品です。」と言います。「それで、ボスに言ったんですが、まったく聞く耳を持たない。だからもう辞めて、独立しようと思います」とも言います。私は「否、そんなことはない。たとえいろいろ手を加えなくても、それを採用する眼は、そのボスの力だよ。アイデアや案なんていくらでもその辺に転がっている。それを引っ張り出すのが、ほんとうの能力と言うもんだよ。自分だけでやったなんて思うなよ。丹下さんだって、アメリカに出張中に留守部隊が作っちゃった「名作」があるって聞いたことがある。だから、辞めようなんて思わないで、ボスを学べよ」なんて私が言うはずがない。そんな偉そうな教師面しませんよ、私は。「そう、否なら辞めれば」の一言で、彼はいつのまにか建築界から消えました。ボスは活躍しています。


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