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2014年06月28日(土)

「勇気」はあるけど「力」がない

先週、作家の森まゆみ氏が「朝日」に「国立競技場 引き返す勇気を」という意見書を寄稿しておられました。さすが説得力があり、納得させられるご意見でした。が、あの文は誰宛てに書かれたのか?JSCと東京都に対してでしょうか?もしそうなら、「朝日」の文化欄などではなく、私は知りませんが、直接訴える方法はないのでしょうか?もしそうではなく、われわれ一般に対して賛同を得る為に訴えていらっしゃるのなら、われわれは「勇気」はあるのですが「力」が無いので、どうすることもできません。もし両方なら、文化欄などに出したのでは、JSCと都は見て見ぬふりをする。あれを読んで会議が開かれたとは思われません。「屁の突っ張りにもならない」と言っては失礼ですが、そう思えるのです。

と言いますのは、今私は東海大学の年報のために「日本武道館と山田守」という題で拙文を書いています。その中に、64年のオリンピックの為に武道館を建てようということになって、1年前にやっと敷地が決まり指名コンペをすることになった。ところがコンペがスタートする前から、山田守は八角形の案を作っていた。しかし審査の時、6人の建築家審査員のうち5人は大江宏案に票を入れた。ところがそこに送り込まれた6人の国会議員全員が山田案に入れて、結局山田守が勝って実施設計をした、という内容の箇所があります。当時「新建築」で疑義を呈する記事なども出しましたが、なんにもならない。そして、この顛末を事前に察知してか指名を受けた前川國男が指名を辞退した。しかしこれも何の突っ張りにもならなかった、という歴史を見るとき、こういう「巨大な力」に有効に効く「動き方」を教えてもらいたいと思うのです。私は立派な姿勢より(それは知っていますから)、実質的で真に有効な手段を聞きたいのです。するかしないかは別として。


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