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2014年11月11日(火)

ボルトの穴あけミスの説明は要るのか?

建築の雑誌に、或る施主が「木造土台のアンカーボルトの横に間違って開けたらしい穴が1つあるので、欠陥ではないか。土台を取り替えてくれと言ったら、監督が「このくらい大丈夫」と言って取り合ってくれない。この先心配だから工務店との契約解約したい」、という記事が出ていました。その雑誌では、さすがに「これは大丈夫だが、自分の工務店だけでなく何か客観的な資料も出して納得してもらった方が良い、」というようなコメントが出ていました。私なら致しません。で、こんなことを思い出しました。ある大きな鉄骨の店舗付住宅をやった時、そこの施主がいちいち聞くのです。それが、「鋼材は何故SN材にしないで、SS 材にするのですか?せめてSM材を使わないのですか?」とか「梁のウェブにはスリーブを開けないでください」とか「あばら筋は継ぎ目なしスパイラルにしてください」とか挙句に「なぜ役所に出さずにビューロベリタスに出すのですか?」という質問がほとんど毎日延々と来るのです。さすがに確認申請は民間に出す理由を丁寧に説明しましたが、いや、途中まではすべてかなり丁寧に回答を文書にして説明していましたが、こういうことは設計料を越える手間がかかります。

そのとき「止めましょう!」と組んでいた玲さんが言うので、たしかにこの先を考えると、とんだところにはまり込むかもしれない。「そうだ、断ろう」ということで、彼女が描いたほとんどの図面を向こうにやって、実施設計料を投げ出して中断しました。何百万の損害だったか。私たちの場合は信頼されてないわけではなく、やや「癖」ではないかと思われますが、それに付き合う手間はもらっていません。後日何十万円だったか振り込まれて継続を要請されましたが勿論送り返しました。「木造土台のボルト穴」は信頼関係の無くなった施主のようで修復は無理でしょう。それを今どき、そんなことを「客観的資料を揃えて説明して納得してもらいなさい」というコメントは現実離れしています。それより「そんな質問に対する回答の手間賃は貴方の払う設計・監理料には含まれていませんよ」と施主に向かってコメントすべきでしょう。


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