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2015年06月10日(水)

設計横取り

 最近若い建築家と話していて、「仕事を横取りされて困る」と言ってました。誰に?ということは私に証拠がないので書けませんが、実は私もこれまで何度も経験しています。それは同業の「建築家」でした。施主の知り合いなのか図面を見て、施主にあれこれ批判(誹謗?)するのです。私は施主が「長年会社勤めをしていて、定年になったから「異空間」に住んで老後を送りたい」という希望で「異空間」と取り組んでいる時、実に「普通」な意見を言って、批判(誹謗?)をするのです。動揺する施主に私は何度も「異空間を作りたいんじゃあないですか?その人の言うことは「普通」で、確かに建築費もずっと安く出来るし、維持費もかからないでしょう。老後はその方が良いんですか?」と何度も話し合いました。どんな建築だって、貶そうと思えばいくらでもできます。また施主を不安に落とし込め、心配で心を変えさすことは、やろうと思えば「わけない」ことは大抵の巷の建築家は知っています。

 「日本建築家協会」の倫理規定だったかに「他の建築家を誹謗したり、不当な手段によって取ってはいけない」と言う様な意味の規定があります。実にあいまいですね。誹謗と批判はどう違うのでしょうか?理を並べれば誹謗ではなく批判になるのでしょうか?しかし、見方によっては正しい理も、別の見方によっては間違っている、建築とはそういうものではないでしょうか?

また「不当な手段」とは何か?「批判」を通して施主の気を変えれば不当ではないのか?これは私も正しいと思ってやっているのですから、施主が私との関係を打ち切らない限り、口を出しては、まして手を出してはいけないのではないでしょうか?その建築家とコンペをしたわけではなく、すでにその競争には関係ないのに、後からやって来て口を出すのは卑怯以外の何物でもない。こういう風潮は厳に慎みましょう。

ちなみに冒頭の「横取りされて困る」というのは、代案をもっていって「こちらの方が安く出来る」と口説くそうです。建築、ほんとうに地に落ちました。


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