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2015年07月08日(水)

「特殊性」に765億円

「新国立」の予算オーバー、「特殊性」分が765億円、だからこの建築は不適切、不当なものである、という論調でマスコミは騒いでいます。実に嘆かわしい騒ぎだと思います。

こう騒ぎ立てられた結果でしょうか、アンケート調査では国民の85%が反対のようです。

私がこれまで取り組んできた建築の大半は「ローコスト建築」です。それを信条としてきたとも言えます。しかし、建築の「特殊性」に金を使うことは否定しません。むしろそこに建築文化の意味があるとも思って支持しています。

たとえば「仙台メディアテーク」、あの柱を普通の四角い柱にしたら、どれだけ安くなったでしょうか。あの籠柱の中が上下階抜けている意味などどれだけの市民納税者は理解して喜んでいるか?

あるいは丹下健三の「代々木オリンピック総合体育館」、あの屋根を普通にトラスで架けたら、予算の倍近くにならずに済んだでしょう。普通のトラスの屋根の下でも選手の力は影響なかったでしょうし記録も出たでしょう。

大切なことは、そのオーバーする内容でしょう。オーバーする効果や意味でしょう。そして金額でしょう。それならもっと時間をかけて検討吟味すべきで、場合によっては歴史が判断することもあるでしょう。それを「特殊なことをするから金額がオーバーした」とか、そこにだけ建築の価値基準があるかのように騒ぎ立てるのは、完全に国民の建築に対する観方をミスリードしたと思います。ちなみに、繰り返しになりますが、メコン地域に安倍さんは「7,500億円」(単位の間違いではないかと、何度も新聞見たのですが)ポンと出したのです。この判断も歴史が判断するのでしょうか?


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