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2015年10月01日(木)

エンブレム

エンブレムはいろいろ面白い問題が出てきますね。組織がよく分かりませんが、要するに審査委員たちに言わないで、「日の丸が足元にあるのはおかしい」とか「躍動感がない」とか言って、当選したデザイナーに修正させたということのようです。その時に修正した部分が、結果的にベルギーの劇場のロゴマークに似て、デザイナーに訴訟を起こされる結果となった。指示した担当者たちはこれまでどんな気持ちで晩酌していたことか、考えるだけで私の今夜のウィスキーがまずくなります。で、此の話、私の知り合いのデザインとは関係ない素人の「教養人」たちは、「修正しろと素人に言われて、直す方も直す方よね。自分の作品に自信があったら、拒否すれば良いのに、そうでしょ?」と私に同意を求めます。私がデザインやアートに近いところにいて、私を純粋な作家とみなしているのです。「そうですよ、私なら線1本変えませんね」とは言えず、「小童(コワッパ)役人に言われても、修正したら入選にしてやると言われたら、直しますよ」と呟くしかありませんでした。

ところで話は変わりますが、思い出すことがあります。「最高裁」の横に建っている「正倉院」のような「国立劇場」のコンペの話。あれは文化財保護審議会(当時)が中心になって行ったコンペで、応募案を役人たちがあらかじめ「チェック」して、荒分けして落としておいたそうです。(ある特別委員に指名されていた劇場関係の教授から聞いた話)そこで審査委員たち総勢9名が呼ばれて「チェック」で残った案を審査をしました。ところが村野藤吾が「ナイ」と言ったそうです。そこで、実は別室に落とした作品があると告げられて、村野はその別室に行き、引っ張り出して持ってきたのが今建っているあの案だったのです。私は「ナイ」の意味は知りません。ただここではさすがに名前を伏せますが、「特別委員」として、一部始終を見ていた教授から話を聞いただけです。つまり下種の勘繰りですが、村野が知っている人の案が「無い」と言って、別室に行って、落とされている案から引っ張り出してきて当選とした、とも考えられます。岸田日出刀と丹下健三の関係だって、それ自体本が書けるほどありますよ。しかし今度のエンブレム問題は、どうもレベルが低そうです。


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