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2016年02月03日(水)

お顔を拝む?

お通夜や告別式に行くと、みんな故人の顔をのぞいて拝みます。棺桶の顔の部分に窓が付いていて、それを開けて拝むようになっています。先日も行ったところで、葬儀の係りの人から、さあどうぞと促されて、儀式の中に組み込まれているようでした。私はひとり拒みました。

元気だった時の顔の印象を壊したくないんです。死に顔は一生心に残ります。だから敢えて見ないようにしています。あれは、昔は故人の家族や近い親族だけがやることでした。

話は変わりますが、東映の任侠映画で、親分が死んだシーンがありました。子分たちが押しかけてきて、「親分の御顔を拝ませて下さい!」と座敷に近づこうとすると、「イイエ! いけません!!」と両手を広げて岩下志麻が拒みます。「親分の死に顔は見せません!」

家に帰って妻に「あの女房は偉い。僕も拒んでくれよ」というと、拝ませてくれなんて言う子分は誰もいないくせに、バカなこと言うんじゃない、と一蹴されました。

たしかにそのとおり。ゲンなんて来もしないだろう。もっとも私、葬儀自体をしないよう言ってあります。


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