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2016年05月25日(水)

京都会館

倉敷の大原美術館へ行く途中に、京都で途中下車し「京都会館」に行ってきました。イナミ君が「なかなか良いですよ」と薦めてくれたのです。

ここ数年、リノベーションするとかで騒いでいましたが、結局できたようです。どうして何をリノベーションするのか、数年前に行った時も地元の新聞を読み損なって、また「改築反対」の運動が京都市民から起こったのは朝日新聞で見ましたが、何故反対するのか読み損なっていました。

担当している建築家香山寿夫さんは「新国立競技場」の再コンペの審査をした、「東大」中の「東大」で、国家を背負う建築家だから、まあ下手なことはなさらないだろうと気にも留めていませんでした。

ところが行って驚きました。たしか、中庭に面していた外部回廊がガラスで閉じ込められて内部になっているのです。大きな嵌め殺しガラスでホール側がすべて覆われているのです。1階のガラスのエントランスを入ると完全な内部のホールで、ホールのエントランスまで続きます。たしかピロティになっていたところがかなりガラスのホールになったのではないでしょうか?

ちょうど開演間際で賑わっていて、外部だったらできない売店がテーブルを並べて、なにやらグッズや土産や弁当を売っているようで華やいでいました。

そうか、雨や風の強い日は、外回廊まで吹きこんで、こういう店は出せなかったんだろうな。それで会館側から要求が出たんだろうな。うまく答えたなと、無難な処理、解決は理解できました。

しかしどうしても込み上げてくる怒りが押さえられません。前川國男の作品をぶっ壊しても施主の言うことを聞いて、「商売」の片棒を担いで良いのかよ。そうか。施主の言うことを何でも聞くのが建築家の姿か。小さくと言われれば小さく。もっと低くと言われれば低くする。正式に決まった入選者を引きずり降ろしてもやり直せと言われればコンペもやり直す。それが優れた建築家と言うものだ。まともな建築家はみなそうする。

私は昔、京都に勤めていたころ、京都の「労音」に入っていて、このホールは何度も通いましたし、接して流れる疎水からツタの絡まる壁面を京都の風を感じながら「前川建築」を眺めたものです。しかしこんな「商売繁盛」の賑わいは経験しませんでした。

今日の雰囲気はまさに「商売繁盛」だ。何をやっているんだ?と看板を見ると「綾小路きみまろショー」。

外に出て疎水から上を見ると、舞台の上のあの前川國男のでっぱりの形が、大きくなってタダの四角になっている。住民が反対したのはこれだなと勝手に納得。反対した京都住民に「敬意!」イナミ君、もう一度行って来いよ。


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