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2017年02月01日(水)

裁判と雑誌の姿勢

この文章は、建築家が施主から訴えられて、地裁の一審で敗訴し、高裁に控訴している時に、ある建築情報誌がそれを記事にした、それに対して途中だから止めてくれと抗議した際に「特定の名前が出ないので、言論の自由だ」と言われたので、その「論理」に乗って書くものです。(つまり実名を伏せれば良いようで)

 情報誌Aは、一審で負けて約2,000万円の賠償の判決が出た建築家Nの事例を「すぐ役立つ判例解説」として、勝った原告の弁護士に解説:〇〇〇〇(弁護士)と実名を出して、記事を掲載しています。

そして記事の中で「××地方裁判所で何月何日に下りた判決」と実際の名前(実名)と日付を明記しています。これは関係者ならすぐ分かります。たとえば二審の裁判官は見ないという保証はないのです。

 さて、それで内容は、半ページにまず大きくマンガを書いて、発注者が怒って、設計者は施工者の後ろに隠れて汗をかきながら怯えて震えています。まあ、こういうバカマンガで面白おかしくしないと読者は読まないと思われているのは無視するとして、記事全文は、勝った〇〇弁護士は意気揚々としているかのごとく、自分が「設計ミス」を見抜き、勝訴したと全編から感じられます。しかも、情報誌Aも〇〇〇〇弁護士を当然応援、肯定するかのように、全体に建築家の「設計ミス」を前提に記事を進めていることは明白です。

 記事の中には「設計ミスによる最大の問題は云々」とか「県条例に違反していた。」とかすべてミスを断定して書いているのです。そういう記事で固められているのです。

 これは、あくまでも途中であり、係争中だから、雑誌は公正であるべきではないでしょうか?しかも一方の弁護士にのみ語らせるというのは、公正ではないと思いますが。(敗訴した方は高裁の裁きに全力投球しているから、雑誌でなど語る余裕はないのは当然と思います。)

 さて、この裁判、結末はどうなったか。Nさんは一審でなんとなく終わってしまったことを反省し、この道の専門家や学識経験者をしっかり集め、正しいことを正しいと云える陣容を固めて、弁護士も専門に強い弁護士に代え、しっかり説明できるようにして臨みました。裁判官も二人の専門家を付けました。

 一審では2年かかりましたが、二審は倍の4年かかって、結果は逆転、Nさんの「全面勝訴」でした。裁判費用のすべてを施主(原告)に払わせるという建築家の完勝でした。

 ところが〇〇〇〇弁護士は、A誌に書いたてまえか、立場が無いからか、最高裁に上告しました。そして結果は「却下」、Nさんの勝利は確定したのです。

 情報誌Aの今後の始末の仕方を見守りたいと思います。

 


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