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2017年03月26日(日)

こんな仕事までとらないで

(まえがき=この文を、名前を出さずに匿名にしようか、実名で書こうか考えましたが、その建築家や作品の批評が直接の目的ではないので、匿名で書くことにしました)

 若い建築家のオープンハウスの案内をもらったので、行ってきました。新しい材料を、メーカーと組んで積極的に使った実験的なものでした。その場所性や施主の使い方と真摯に取り組んでいて、とても丁寧につくられていて完成度も高く、評価できる作品でした。

 帰り道、地元の駅舎が或る著名な、スター建築家の設計ということだったので、ちょっと寄ってみました。ド派手なかたちにビックリして、車を降りて入ってみることにしました。

 この駅舎は観光的な場所の「入口」としての意味もあるので、お土産屋など多機能を含む総合的な駅舎でした。しかし、建築としては、まとまりや総合的な扱いは雑で、完成度の低い、荒っぽい建物に思えました。

 そこで考えたのですが、この建築家は海外でも活躍しておられ、超多忙な方のようだから、恐らく詳細や現場はスタッフ任せだったにちがいない。もちろんそこのスタッフたちは、日本でもトップクラスの若い人たちだということは分かります。しかし、この「雑」さは、これで良いのだろうかと考えてしまいました。

 今、若い優秀な建築家たちは、コンペも制度が変わって少なくなり、住宅以外の建築に挑戦する機会がほとんどなくなりました。もったいない。

そこで、このくらいの規模の手ごろな建築は、海外を飛び回るズーパースターは遠慮して、若い人にチャンスを譲ってあげたらどうでしょうか? スタッフとしてやるのと、自分で仕事をとってやるのとでは、やはり違います。

だから、仕事の依頼がきたら、自分は審査員になってコンペをやるように、依頼者に働きかけるのです。そのスーパースターにはそれを説得し仕掛ける力があると思います。


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