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2017年06月21日(水)

アジール・フロッタン展

一昨日「アジール・フロッタン再生展」の記者発表会があって、ちょっと気になるので行ってきました。「アジール・フロッタン」とはコルビュジェがつくったセーヌ河に「浮かぶ避難船」のことだそうです。1929年につくられたものです。

作品集でも簡単に出ているだけで、あることは知ってはいましたが、浮いている船だと思っていました。ところがコンクリート製の試作品をコルが買って、救世軍の水上収容所として、建物にしたようです。それをこのたびフランスでも改修して展示場などに生かそうとしているらしく、遠藤秀平氏がプロジュース、五十嵐太郎氏がキューレーターで、その再生展を開くということらしいのです。副題に「日本人がまだ知らないル・コルビュジェ」とついています。

その五分の一の模型をASJTOKYO CELLに作って、あまり残っていない貴重な資料や写真を展示するそうです。(8月5日から22日迄)

冒頭で「ちょっと気になるので」、と書きましたが、まだこの(動かない)「船」がよく分からないのですが、気になるのです。この「船」の目的はパリにいる浮浪者の収容施設のようです。時期から考えて第一次世界大戦の時の浮浪者ではないでしょうか?冬で行き場のない浮浪者の収容施設で160台の二段ベッドが詰め込まれています、あるところは三層になって「詰め込まれています」。そうとでもしなければ収容しきれない浮浪者がいたようです。

で、気になるのは、この展示会の目的です。というのは ①:この「船」つまり収容所はなぜ河の中なのか?つまり何故地上に作らなかったのか?どうも「隔離」(抽象的な意味での)の意識があるのではないかと思ってしまいました。 ②:内部の収容施設は高窓で船底の、実に住環境の悪そうなスペースにビッシリ二段(一部三段)ベッドが詰め込まれて並べられている。これ、ヒットラーを思い浮かべました。

そこで「日本人がまだ知らないコルビュジェ」は実はこんな一面があったのだ、と云おうとしているのかな?と思ってしまいました。それなら分かりますが。聞き間違えかも知れませんが、「五分の一の模型(全長約15M)を会場につくります。ベッドは作りませんが」と言われたような気がしました。もしベッドを作らないとしたら何故つくらないのか? 160個ベッドをなぜ並べてみないのか?どうもコルの空間を見せたくて、コルがやったことは見せたくないのかな?と邪推してしまいます。外観や展示場にする空間なんかより、160個のベッドをとにかく詰め込んだ、ヒトラーが考えるような部屋を見せるべきではないかと思うのですが。コルの知らない一面ではないでしょうか? 楽しみにしています。


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