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2017年07月27日(木)

「日本橋」その2

「日本橋」に覆いかぶさる首都高の道路を地下に埋めると小池知事が発表しましたが、それについて「巨額な工事費をかけるより保存しろ」という反対意見がでました。なるほどそうだよな、と気づきました。その意見は「負の遺産」として残せとも書いてありました。

 ところがそれについてですが、1985年に三宅理一さんが書かれた「愛の建築譚」(パルコ出版)の序に面白いことが書いてあります。オリンピックから20年も経っているとき書かれたものです。抜粋するのは三宅さんにとってはご迷惑でしょうが、是非本で全文を読まれることをお勧めして、ここでは勝手に抜粋して、つぎはぎで文を作り直させてもらいます。*のところは省略を意味します。

「東京で今一番面白いところは*モノレールが最高だ*空中高く持ちあがり、道であろうと川であろうと自由に跨ぎ、好き勝手な方向に動くことが出来る。だから、そこから見える都市の姿は地上を歩き回っている時のものとはまったく異なる光景となるのだ。

私はそうした都市の姿が好きである。そして、そこから目にする都市の光景は、現代と言う時代をもっとも具体的に示すのではないかと思っている。そこに見える都市は決して美しいものではない。地上から見えることを前提に造られている建物の見え隠れとか装飾といったものがすっかり裏切られてしまうのだ。*この考え方は東京の町の中を奇妙な形で貫いている高速道路と同じ意味合いをもっている*

 

三宅理一さんは「決して美しいものではない」と言いながら、「そうした都市のあり方と、現代のわれわれの感性とはひどく近いものになってきたようだ」と〆ています。

この本から30年が過ぎています。三宅さんは今北海道にお住まいのはずです。のどかな処でしょう。30年前に評価された都市のことを「負の遺産」ですって。機会があったらご感想をうかがってみましょう。


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