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2018年10月21日(日)

人生の閉め方

かつてのスーパースターが、会場が満杯にならないので1時間前に中止したという騒ぎ、心臓が痛みます。それでもまだ日本全国何十か所と廻るらしい。最後は武道館。止せばいいのに、とは周りの言うこと。本人はまだひと区切りのつもりでしょうか。閉める時とは思っていないらしい。

階段は上るときは良いのですが、年老いて降りる時が危険なのです。

手術は、切る時より縫う時の方が難しい。

木登りも、上る時より降りる時が危ない。(これって徒然草?)

村野藤吾が言いました。設計事務所は入る時より辞める時が難しい。これは話がズレたかな? 

言い直して、吉田が言いました。設計事務所は始める時より、たたむ時の方が借金増えた。(設計はやればやるほど金銭マイナス…)

何が書きたいのか?

人間、閉じ方が難しいってことです。

先日のコラムで、絶頂期を過ぎた建築家は、おめおめと雑誌に発表するんじゃあないよ と書きました。しかしいい歳して、ときどき精彩のない作品を雑誌に発表して、「まだこんな作品出してんの?」と言いたくなる老建築家がいますが、往年のイメージに傷がつきます。

話は変わりますがF君の話。ある奴が、仕事もなくなり、一区切りだと思ったのか「これからは作品を作るのは止めて、図面描きの商売に徹する」と宣言しているそうです。そいつは初めから作品なんて無かったし、作れる奴じゃあなかったのに、この負け惜しみどう思います? と言うから、「人間、自分は力も無いし、落ち目で負けたから閉じるってなかなか言えないもんさ。幾つになっても格好はつけていたいもんだよ。俺もなんか理由考えて区切りつけなきゃ」

「先生は、設計より悪口エッセイの方が向いているから区切りをつけるって言えば良いじゃあないですか」

「オイ、誰に向かって言ってんだ!?」


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