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2019年06月07日(金)

コルビュジェと規準線

昨夜コルビュジェの勉強会に行ってきました。

コルビュジェのピュリスムの絵画と建築の関係の話でした。(コルビュジェ展の関連で)

コルの静物画に規準線を引いて、絵の構図が規準線によってつくられている、という説明から、建築のファサードにも規準線を引いて、窓の位置や扉の位置が決められていると説明されました。

花瓶やギターが抽象的に配置され、それに規準線を描きこむと構図がその線に乗っていて見事に説明できます。よく見る図です。

更に、「ラ・ロッシュ邸」のファサードに何やら対角線のような規準線が書かれた図も、作品集などでは必ず出てきます。

―――どうだ、コルビュジェの中では絵画と建築が見事に関連づけられている、と言わんばかりに、分かりやすい説明でした。

でも学生の勉強会ではありません。大人のプロの建築家ばかりです。

終わって、質問をしました。

「絵を規準線に乗って描くのはコルの勝手だが、建築の窓の位置を決めるのはどうだろうか? 「ロンシャン」の窓の位置ならいいが、住宅では室内側にはもっと重要な位置を決める要素があるのではないか?」

「いや、25センチくらい動かせば規準線に乗るのだから、そのくらいの操作は良いのではないか」

25センチ? 気軽におっしゃるが、住宅で25センチ窓の高さが変わるのは重大だ」

「いや、高さではない。位置のことだ、実際には5センチくらいで済む」

―――ダメだ、こりゃあ。

コルビュジェが何でも規準や法則を好み、規準に載せたがる、法則に乗りたがるのは知っていますが、それは単なる自己満足。建築に規準線を作ろうと思うなら、その規準の根拠は説得力が無ければならない。つまり意味がなければならない。規準線の意味の説明はありませんでした。それを聞きにきたのに。

 国立大学の名誉教授でしたが、これ以上の論争は他の客に迷惑になるので座りましたが、一言聞きたかった、残念です。

「で、先生は、ほんとにそのやり方、正しいと肯定して、認めていらっしゃるんですね?」ここで押さえて、私も大人になった・・・


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