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2019年09月12日(木)

寒い話

あんまり暑いので、寒くなる本を読みました。

西山太吉氏が書いた「記者と国家」という本です。

西山という毎日新聞の記者を若い方はご存じないかもしれませんが、私は国家に踏みつぶされたジャーナリストとして、忘れることができません。

1970年、沖縄が日本に返還された時の話です。

この時の総理は佐藤栄作、アメリカはニクソン大統領。この二人が、沖縄返還にあたって、簡単に言うと「金は出さない、核も撤去して今後持ち込まない、権利も本土並み」という条件で返還されることになった」と佐藤首相が胸を張ったのです。

ところが実際はその反対。「金は何億ドルと支払い、返還後の沖縄はアメリカが自由に使う。核の撤去費用も多額の金を払う、有事は持ち込む」ということが極秘に佐藤―ニクソン間で密約されていたのです。密約だから国は嘘を言って隠していたのです。

ところが、西山記者が外務省の極秘文書を手に入れる。それを社会党の議員に渡して国会で追及。

さあ、ひっくり返るような大騒ぎ。マスコミも大騒ぎ。

ところがその極秘文書は、西山記者が、外務省の女性と「世間でいう不適切な関係」を結んで手に入れたものということがバレます。

そすると政府は先日の文科省の前川氏のように、キャバクラじゃあないどこでしたっけ?とにかく良からぬところに出入りしていたという、側面攻撃に方針を変えて攻めたように、西山記者の「不適切な男女関係」に攻め方を変えました。

そうするとバカマス(バカなマスコミの略)はそっちの方が一般には受けるので、そちらに騒ぎ方を変えます。

結末は、西山とその女性は有罪(女性は執行猶予)で終わり。

あくまでも佐藤栄作と政府は「密約は無かった」の一点張り。有るものを無いと言えるのが政治家。佐藤栄作はノーベル賞をもらいました。

ところが30年経って、アメリカの国立公文書館が秘密の期限が切れて開示します。佐藤ーニクソンの密約の文書がそっくり出てきたのです。西山氏が手に入れた密約文書がそっくり開示されたのです。先日ですよ、覚えていますか?

ところが自民党は(たしか小泉さんが)そんなもの日本には無い! とあくまでも言い張り、地裁はアメリカにあるんだから日本にもあるだろうということで認めましたが、最高裁は、政府が無いというから、「無い」を認めました。三権分立はこわれているのですよ。怖いですね…もう止めますが、日本は佐藤栄作が捨てたんでしょう、「無いものはない!」で通しました。「モリ・カケ問題」なんてそれに比べりゃ屁みたいなもんですよ。

岸信介、佐藤栄作、安倍晋三 血縁の三人にかないっこないですよ。


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