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2019年10月29日(火)

土木の時代

私が大学で教えるようになったころ、幸いに建築は景気の良い時代でした。

 入学希望者も工学部の中ではトップくらい、倍率が高かったのです。

 ところがやがて、大学全体では、少子化がそろそろ見えてきて、定員割れする科もあって、問題にし始めました。

 工学部も調整しなければならない。そのころ土木工学科は人気が無く、何度か建築と一緒になって、生き延びることを考えなければならない、という話が出ました。

 学科の名称も、「土木」じゃあダサい。宇宙とか環境とか、地球とか自然とか、何か格好の良い名前じゃあないと学生が集まらない。

 そこで、名前を変えたらということがたびたび話題に出るようになりました。私も「もう土木のイメージは古いよ、田中角栄で終わったよ、変えた方が良い」と思いました。事実全国で変えた大学も多いはず。

 しかしうちの大学の土木の先生たちは、頑として変えようとしませんでした。

 ところが今、その心意気を発揮するときが来たじゃあないですか。土木の時代です。

 堤防は土木です。防波堤も土木です。ダムも土木です。土砂崩れを防ぐのも土木です。つまり河川の氾濫や津波を防ぐのは土木です。

 もう、名前を変えたらなんて言いません。気候変動に対応するのは、建築なんて弱いものです。土木は本気で考えてください。本気で前面に出て頑張ってください。


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