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2020年04月23日(木)

せんだいメディアテーク

朝日新聞の「文化・文芸」欄に伊東豊雄さんの「語る」シリーズが載っています。

 その中に「せんだいメディアテーク」の話が出ています。

 思い出します。

 コンペで当選された時の、正面から写された模型写真を見たとき、頭をハンマーで殴られました。

 お見事! 同世代の建築家でこんなものが発想できる建築家がいるのかと、今でもあの衝撃は忘れません。

 しかし今回の新聞の記事の見出しには「設計に猛批判」と書かれています。中を読むと絵を飾る壁のことや、図書館の位置の問題らしく、要するに使い方の問題らしい。完成した時に新聞でも厳しい記事が出て叩かれたようです。 気にすることは無い、使い方なんて・・・

 実は、私も一回(2日間)仙台メディアテークを使わせてもらったことがあります。

 私は住宅設計の仕事を取るために、ある組織に参加して、北海道から沖縄まで日本全国イベントで周ったことがあります。、その土地土地で、けっこう有名な展示会場でイベントをして来ました。有名建築家の作品もかなりありました。

 そんな中で「せんだいメディアテーク」は一番良かった。一番楽しかった。

 10人くらいの建築家が各々10枚くらいの大きなパネルを展示して、客にアッピールします。朝から夕方まで会場にいましたが、「せんだいメディアテーク」は飽きなかった。別のところに来た客とも触れ合うし、遠くの階段の上から見ている人もいるし、面白い会場でした。

 しかし、外に出て道路の反対側からファサードを見たのですが、あのハンマーの衝撃がない。

 やっぱりあの「海藻」が原因なのだと思いました。

 模型では見事に表現されていた、とても柱とは思えないチューブの、漂うように揺らぐあの浮遊感が全くない。

 あのチューブの中はたしか「情報の流れ」だと言っておられたと記憶しますが、まあ、そういう学生のような純粋な無邪気さは目をつむるとして、ご本人も言われるように、実現した建築は、「海藻(海草)」ではなく樹木のように強い柱でしかない。

 それじゃあダメなんです。やっぱりコンペの時のように あの柱は「海藻」でなければ、漂う透明感が無ければ。

 難しいですねえ、建築って・・・


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