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2020年07月17日(金)

保健所

 私はコロナの初めころ、思い違いをしていました。

 それは「保健所」というところは、霞が関か虎の門に高層の超近代的なビルが建っていて、そこでWHOのように統括して業務を行っているのかと思っていました。しかも勤務する大半は医師免許をもった人たちかと思っていました。

 何故なら、具合の悪い人が症状を訴えて、PCR検査をしてくれと頼んでも、ダメだ、該当しない、と断る。つまりそれはある意味「診断」で医者しかできないはずだからです。そしてすべて「保健所」を通さなければならない。

 しかも電話がなかなか通じない。全国からここにかかってきて、統括して各地の采配を振るう・・・そう思っていましたよ。

 あるとき、妻にその話をしたら「バカねえ。うちの保健所はそこの区役所の2階にあるでしょ」と言われてビックリ仰天。そしてカウンターの奥に座っている胡散臭そうな(失礼!真面目そうでひとの良さそうな…)オジサンたちが頭に浮かびました。とんだ恥。でもあの人たちが私の命を握っている、大丈夫かよ??

 で、その「保健所」のことですが、それに関連して・・・

 建築は出来るまでにいろいろな審査と検査ががあります。

 たとえば小さな飲食店の場合、建築確認申請の検査や、「消防」の検査や「保健所」の検査があります。 検査で緊張する度合いが、 構造・法規、消防、そして保健所の順番です。

 (これは単なる個人的な経験と印象ですから、気にしないでください。)

 保健所の検査のオジサンはとても優しいのです(*個人的な印象です)

 こんな話を聞きました。

 飲食店の厨房には必ず、調理用以外に、手洗いをする手洗い器を付けなければなりません。しかし、大抵は狭いので板前さんから「流しは三つもあるから、邪魔だから付けないでくれ」と言われます。で、聞いた話だと、昔は仮に形だけ付けて、検査を受ける。検査が終わったら、外してしまう。小さい飲食店だと、その後は定期的な検査は来なくなる、というのです。 

 建築家にも悪いのがいて、給水も排水も作らず、手洗い器と水栓金具だけ見せかけに付けておいて、検査を通しちゃったという話を聞いたことがあります。給排水はしておいて、 規定の大きさのものを付けておく。そして検査が終わったら小さいのに付け替えるなんていうのは良い方だとか。

 あるとき真面目な検査のひとがたまたま水栓をひねったら水が出ない。給水管を作ってないからです。そうしたら、「すみません、元栓を閉めたので開けてきます」と言って、出て行って「すみません、今車があって、車の下で開けられないもんで・・・」と言ったら、時間が無いからと言って、帰っちゃったという話も聞きました。

 排水をごまかして繋がなかったら、水が床に出たという笑い話もあります。

 「最近の検査は実際に水を出すから気を付けろ」と仕事仲間から聞きました。つまり以前はみんな誤魔化していたということでしょう。

 まあ保健衛生の規則も、現状に合わない規定だったということも言えるのでしょうが・・・

 「ここの区はネズミとゴキブリの穴をバカに気にする」という話もあります。

 そういう具合に「保健所」というところは「消防」などに比べて極めて「のどか」(だった)です。

 それが今、国民の命の最前線に立たされているので、心配で・・・


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