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2020年12月11日(金)

カレンダーの「香川県庁舎」

大林組のカレンダーをもらいました。

 初めて見ましたが、立派なものです。創立130年とかで、表紙は大阪御堂筋の淀屋橋のところの地下鉄工事の写真です。貴重な写真です。

 中を見てビックリしたのですが、あの「香川県庁舎」の正面の写真があるのです。

 大林組の工事とは意外でした。

理由は、勝手なイメージとして大林組は土木が得意で、繊細なコンクリート工事が、あんなにきれいにできるのか? と思ったからです。 木造かと思うくらい繊細な、突き出た細い垂木。見事なものです。型枠は宮大工が作ったとか。異例なことでは?

 それは別として、この写真には疑問が生じました。

 この写真には、「県会議場」と「既設庁舎」が映っていないのです。無いのです。

 この写真は南側正面の写真としか思えません。

 つまりそうすると左右に約1M離れて建っている「既設庁舎」と「県会議場」の建物がなければなりません。写っているはずですが、それが無いのです。写真を加工して消したのか? 何故? 誰が?・・・消す意味がない。

 また更に更に驚いたことに、この写真では、庁舎が約1Mの「基壇」のようなところに載っているのです。そして正面中央に一スパンの幅で数段の階段が付いています。信じられない。

「基壇」などもってのほかです。

 しかし研究者から笑われるかもしれない。

 実は、まだ工事途中で、「県会議場」が出来ていなかった。基壇もあの池のある庭園が出来る途中だったかもしれない。

 しかしそれでも疑問。何故左隣の「既設庁舎」は写っていないのか?

 そして何故、正面に階段をわざわざつけて、基壇にテラスと同じような手すりを付けたのか? 仮設にしてはずいぶん大げさです。確かに落差はあったようで、完成した時は池になり太鼓橋がかけられます。それなら階段はどこへ行った?

 私に言わせると、この写真は決して「工事途中の現場写真」ではないはず。工事現場のそれらしいものは何も映っていません。工事途中にしても、何故そんな「香川県庁舎」の特徴(設計の理念)を無視(逆なで)するような写真を出してきたのか? 

 丹下さんがご覧になったら、掲載(発表)を許可されただろうか?  

 そもそも、この建築を撮っている写真家は、石元泰博、多比良敏雄、平山忠治 二川幸夫ら、そうそうたる写真家たちです。この写真はこれらの写真家ではないでしょう。どなたの写真?(まさか現場監督では・・)

 宮大工が型枠を作った繊細な梁だけを見せたかったか?(それならもっと近寄って見上げたアングルの方が良いはず)

 大林組の写真をみると、まったく別の建築に見えるのですが・・・

 しかも後ろの簡単なコメントを読むと「コルビュジエの近代建築5原則に基づいて設計された」って。よしなさいよ・・・やっぱり大林さんは土木の方が強いという印象、当たっているとは言いませんけどね。


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