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2021年04月08日(木)

「デザインを盗むな」

「日経クロステック」の「デザインを盗むな」という見出しだけ見て、中を読みませんでした。

 建築デザインで「盗む」とか「真似る」という話は限りなくあって、実はそれほど興味がありません。

 桁と世界が違う話ですが、よく「真似」で出る話は丹下健三先生。

 「広島平和記念会館(毎年原爆記念式典をやるところ)あれはコンペで1等だった丹下先生の設計ですが、中央の記念碑がコンペ案では、大きなアーチになっていました。

 それは数か月前に国際コンペがあったサーリネンの当選案で、アメリカ「ジェファーソン・メモリアル」とそっくりなのです。

 しかし原爆の記念碑にアメリカの真似はないだろうと、変更させられます。

 ところが後に丹下さんは「あれはコルビュジエの「ソビエトパレス」で使われているアーチから来ているのだ」と弁明(弟子が代弁?)しています。

 いずれにしてもパクリです。

 丹下さんにはいろいろあって、オリンピックの時に出来た原宿の「国立屋内綜合競技場」あれはサーリネンが先に設計した「イエール大学のホッケー・リンク」に似ているのです。しかし、丹下さんの方がはるかに優れているから「真似だ」と騒ぐ人はいない。

 今私はコンペを否定する本を書いていますが、その中に「東京カテドラル」のコンペの話が出てくるのですが、あれとそっくりな教会が、IMペイ設計であるのです。ぎょっとしますよ。

 当時、すでにその教会は雑誌などで発表されていて、あのコンペの審査委員は今井兼次先生だったので、今井研では話題になったそうです。

 建築にも特許申請はあって、技術的なことでは、勿論大切なことですが、意匠関係ではあまり聞きません。むしろ「恥」と思われているのか?

 昔、円形プランの学校を作った建築家がいて、それが自慢だったのか「意匠登録」しました。ところがその後誰も円形プランを使わなかった。かえって意匠登録したことが、うしろ指をさされた。そんなものです。建築デザインとは。

 さて、時間が出来たので日経の「デザインを盗むな」を開いて読んでみました。(この先有料のところまでしか読めませんが)どうもこれはフランチャイズで売り出している商品らしい。これは「商標登録」とかいうその次元。

 オリジナルと「真似」と比べてみると、まったく同じ。笑っちゃいましたが、これは犯罪ですよ。私の言う「建築家の真似」の話とは次元が違う。

 これを真似した建築士、きっと可哀そうな人だと思います。


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