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2021年05月06日(木)

建築コンペの汚れた歴史

 私は今、建築コンペの「汚れた歴史」を書いています。面白いです。

 磯崎さんが「建築の政治学」で、ご自分が経験なさったコンペのスキャンダラスな面を書いていらっしゃいますが、かなり際どい暴露です。

 私には審査員側のそういう経験がないので、歴史を調べて書いています。

 昔、学会で山田守の「真似」について論文を発表した時、後輩の女性の真面目な歴史家に、一行一行、その根拠の資料や、出典を明らかにしなければ駄目だと言われて、たいへん苦労しました。

 論文が嫌いになりました。

 もっと気楽にエッセイなら問題ないだろうと書いていますが、その資料のために買った「磯崎新の『都庁』」という平松剛さんの本、とても面白い。まあ、ウソかホントかいかにも知っているように書いている。とても参考になります。

 たとえば、「黒幕・岸田日出刀。恰幅のよい体躯に二重顎の重い顔が乗っかり、色付き黒縁の丸眼鏡、鼻の下にはひげを蓄え、建築家というよりマフィアのドンといった風情。ずいぶん怒りっぽい人だったそうだが、基本的に陽気で、また女性に対しては滅法やさしかったらしい。」

 こんな具合です。

 この平松さんという方、早稲田の建築の30年も後輩のようです。だから当然岸田日出刀なんか会っているはずもない。それが丹下さんを怒鳴って、丹下さんは頭が上がらないというような、見てきたような「ウソ」を書いています。それで気が楽になりました。

 いちいち出典なんか書いてない。それで、この方昔「大宅壮一・ノンフィクション賞」をとっていらっしゃる。(私は大宅壮一賞なんか欲しくない、狙っているのはプリッツカー賞です。建築家ですから・・・学会賞もとれないのに大きく出たねえ)

 *そもそも今日このコラムを書き出したのは、丹下さんのパトロンが岸田日出刀で、丹下さんは怒鳴られても頭が上がらなかったけど、ギュスターヴ・クールベという(波を描いている画家)は自分のパトロンと会った時。帽子を脱いだのはパトロンで、クールベはふんぞり返っている、「出会い」という絵について書こうと思ったのです。またいずれ・・・


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