ホーム »  コラム  »  フルハイトドア

2021年10月15日(金)

フルハイトドア

黒い大型の封筒でカタログが送られてきました。シルバーの横文字で恰好良いデザインだからアルマーニのカタログかと思って見ると「フルハイトドア」と書いてあります。

 天井まで継ぎ目も枠も無い、背の高い扉のカタログでした。

 懐かしい。

 昔は、戸や扉はすべて建具屋が作っていて、高さは1メートル80センチか2メートルが一般的でした。

 それを天井一杯まで高くして、それこそ「フルハイトドア」ですが、そうすると急に部屋がスッキリするのです。

 得意になってそうしていると「やっぱり吉田さんのデザインはスッキリして素敵ですねえ」と奥様方に褒められて、いい気になっていました。

 あるとき知り合いの自民党の代議士の自宅を設計しました。

 断わっておきますが、マツオカ・白鵬・自民党は三大ぎらいですが、どういうわけか自民党に知人が多いのです。3軒やりました、そのうちの一軒です。

 ところが、「フルハイトドア」を説明していると「私の背丈は吉田先生と同じくらいだから、そんなに高くしないでも大丈夫ですよ」

「いや、天井までにするとスッキリして恰好良いんです。部屋の感じが変わります」

「いやあ、ジャイアント馬場を呼ぶことはないから、無駄ですよ。普通で良いです普通で」

 さすが代議士。「政治は戦い」と普段から言っていましたが、一歩も引かない。

 結局こちらが折れて、2メートルにしましたが、帰りに大きな太い門柱を思い切り蹴とばしてやりました。

 つくづく住宅の設計って、何なんだ?と思い出しています。


ページの先頭に戻る