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2021年12月18日(土)

階段が一つだった

なんとも凄惨な事件で、お悔やみのことばもありません。

 原因はともあれ、ワタシ建築家なので、いつも「違反建築」や「防火設備の不備」で犠牲者が出ることに心を痛めますが、今回も真っ先にそのことが気になりました。

 この階のプラン(間取り)が新聞に出ましたが、よく見ていると、ワタシでもこうするだろうな、という間取りでした。消防設備も、点検には問題が無かったようです。

 ところが、新聞を見るとどこかの先生が「階段が一つなので」と云ったと書いてあります。「だから問題だ」と言わんばかりの書き方です。「だから悪い」とは書いてありませんが、いかにも「問題があった」と、一般の人は感じませんか? 気にするのはワタシだけ?

 最近ワイドショーの見過ぎか、事件があるとすぐ呼ばれる「専門家」も心得たもので、いかにも問題があるように言うと、ウケルので、MCがそう仕向けるようなので、それっぽく(批判っぽく)言うように思えてなりません。

 「階段が一つなので」は良いから、「100㎡以下だから合法的ですが」と一言付け加えて欲しかった」(6階の業種が分かりませんが・・・)

 そして、「むしろ、こういう市街地のど真ん中にペンシルビル(小面積の高層ビル)で、しかも雑居ビルが乱立する都市計画に問題がありますね」くらいのことはつけ足して欲しかった。しかもバカマス(バカなマスコミの略)もそこまで書くべきでしょう。

 「ついでにワタシなら、近年、都市を木造に変えて行こうという建築家がいますが、こういう事故を見ても、もってのほかですね。なんとか阻止しないと・・・」と言いますね。

 だからちっとも意見聞きに来ない! (浦島太郎)


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