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2022年03月21日(月)

石原慎太郎の「死生観」

「文芸春秋」に石原慎太郎氏の「死への道程」が掲載されています。

 彼の文学の主題は「死」だったそうです。私はそのテーマのものはほとんど読んでいないので、あまり考えられません。初めの頃、彼の小説で好んで読んでいたのは、「日本零年」とか「終幕」「化石の森」とか政治の世界や、若い実業家の壮大な構想を書いたものが好きでしたから、慎太郎の「死生観」には興味がありませんでした。

 そもそも「人種」が違う。

 指を切って血を出して血判状に押したり、女性の前で障子を破ったり、私はしません。

 だからそういう「強い人」が死についてどう考えているのか? あまり興味はありませんが、買ってきた「文芸春秋」に普通の字の何倍もあるポイントで掲載されているので読んでみました。

 「死がどうした!? あの世はバラ色か? 暗黒か? 面白い! 見てやろうじゃあないか。三途の川はヨットでわたろうかクルーザーか?」という調子かと思っていました。

 ところが、失礼ながら、意外にも狼狽なさっているようです。

 検査結果の画像を見ながら「後3か月」と医者から告げられた時の様子を「あれは一目にも恐ろしい光景で・・・」とか「今更おいつくまいと・・・」とか・・・

「一目にも」という言い方を知らなかった。意味も分からない。「おいつくまい」とは何が何においつくのか? 何度読んでも私の文章力では理解できないのです。

 ともあれ、(余命3か月と聞いて)「以来、私の神経は引き裂かれた」と書いておられるから、かなり衝撃を受けられたことは察せられます。

 しかしやはりこの文全文はヘミングウェイやアンドレ・マルロオも出てきて、中身は高邁です。

 こんな短文でも、ファンには読みごたえがあって、たまらないでしょう。

 それより私は、四男の画家(慎太郎さんが都知事だったとき、四男を何かに起用して、身内のエコひいきと騒がれた方ですね、思い出しました)が書かれている文が面白かったです。


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