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2012年05月12日(土)

建築家はエンジニアではない

齢をとって気を付けなければならないのは、妙に細かいところに凝ったり、美に耽ったり、技巧にはしったり、要するに創造的な力が見えなくなり、力強さが感じられなくなることです。同じようなことで、これまで建築費に苦労してきた若い建築家が、たまに十分な予算があるとき、ややもすると間違った金の掛け方をしている人がいます。間違ったところというのは、単に高級な材料を使ってみたり、装飾に手間をかけて、工夫や創造力を疎かにすることです。ところが、その逆もあります。新しい考え方を設計に取り入れたり、常套的な手法に陥るのを批判して、確かに新しい提案や試み、批判的精神を前面に出して作品を作ったところまでは良いのですが、あまりにも作ることに無神経で、雑で、デザインをなおざりにしている作品があります。やはり建築は建築です。モノとして作り上げるところで力が足りないと、いわゆる完成度が低い作品となり、建築作品としては評価できません。建築家は技師、エンジニアではありません。いえ、特に誰のどの作品ということではありません。一般論です。


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