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2012年07月02日(月)

パレスホテル

「パレスホテル」でパーティがあって行って来ました。実はこのホテルには特別な思い出があります。大学4年の秋、山口文象氏のお宅でいつもの「ゼミ」が開かれていて、この時の講師は吉阪隆正先生でした。レクチャーが終わって懇談の場になった時、山口先生が私に「就職はどうなった?」と聞かれたので「竹中工務店に決まりました。今月の「新建築」に竹中がやったパレスホテルが出ています」と、少々得意になって答えました。すると横から吉阪先生が「ああ、あれね、個性が無いね」と、軽く、吐き捨てるように言われました。山口先生は高笑いで、話題は他に移りました。完全にその世界には馴染まず、無視です。私はこの瞬間、後に竹中を辞めることになる3分の1が固まったように思います。しかし実は私の恩師安東勝男先生は、この「パレスホテル」がお好きで、よく利用されていました。古稀のパーティもここでなさいました。私は安東先生がむしろ「個性の無い」すべてをそぎ落とした簡素さというか、さりげなさがお好きなことはよく理解しているつもりなので、またそれを先生から学んでいるので、このホテル、決して100%は否定していませんでした。

しかし、このたび全面建て替えが行われたホテルを見て、その両方が無いではないか、と思いました。面影はありませんでした。「竹中の設計も変わったなあ。」と思って帰ってくると、今月の「新建築」が届いていました。そして「パレスサイドホテル東京」が出ていて、設計がなんと「三菱地所設計」。「竹中の営業、何しとるんだ!?建て替えても良いから、竹中にやらせたかった」


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