ホーム »  コラム  »  目利き

2012年10月28日(日)

目利き

目利きということばがあります。もともと「書画や刀剣、器物の真偽や良し悪しを見分ける人」と国語辞典に出ていますが、私はこれに非常に興味があって、あこがれてさえいます。こんな話があります。それは目利きではなく「耳利き」と言った方が良いかも知れませんが、近藤真彦がまだ少年でデビューしたての頃、音楽番組のリハーサルで、TV局のスタジオで他の歌手たちと順番に歌っているとき、女性歌手が歌ったのを聴いて「おばさん、歌うまいね!」と言ったそうです。それを聞いて、2階の見学席で見ていたスポンサーのお偉方がびっくりして一斉に立ち上がったそうです。そのはず、その歌手は美空ひばりだったという話です。私はそれを聞いて、近藤真彦に一目おくようになりました。彼の耳の良さを称えると同時に、これは、自分はできなくても良い悪いを見分ける力を持つ、ということにも、良い悪いの判断はできても、自分でできるとは限らないということにも使えそうです。理由は知りませんが近藤真彦は、その後歌手を止めます。私、自分の作品の良い悪いは判断できる建築家にはなりたい。少なくとも、大したことがない自分の建築を「良い」と勘違いする建築家にだけはなるまいと戒めています。他人がどう言おうと。


ページの先頭に戻る