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2013年01月13日(日)

大谷幸夫氏

大谷幸夫氏が亡くなられました。私はたまたま昨年、何十年ぶりかで「京都国際会議場」を訪ね、しかも2度行って、庭園で腰を下ろして、「いいなあ」と思いながら、「建築の良さって何だろう」と考えたものです。なにか虫の知らせだったのかもしれません。さらに、誰だったか忘れましたが、今年の正月うちに来た人が、どこかのパーティーで車椅子のすっかり老け込まれた大谷氏をお見かけしたという話をしたばかりで、これも何か妙なものを感じます。とは言っても、私は直接お付き合いがあったわけではなく、何年か前に事務所にお訪ねして、一対一でお話をうかがったのが最初で最後です。その時「どうして「京都」は打ち放しコンクリートになさらなかったのですか?」と質問しました。あの当時(50年前)はコンクリート打ち放しが全盛で、現代建築では当然の手法だったのです。しかも丹下健三の弟子ともなれば、なおさらのこと。この話、以前この欄で書いたので省略しますが、私がお訪ねして話を伺った時は、まだ丹下氏がご存命の時で「丹下打ち放しコンクリート批判」が出るとは、今の中国で民主主義を叫ぶより勇気のいることで、驚いたのを憶えています。去年「いいなあ」と思ったのは、打ち放しでなかったことも確実にその一因だと思います。ご存命ならそうお伝えしたかった。


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