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2013年01月28日(月)

橋の欄干

先日若い建築家が「仕事が来た」とプレゼを見せに来ました。良い案でした。彼の作品として立派に残る案だと思いました。ところが数日して「ダメになった」とメールしてきました。理由は、もともと夫婦仲が芳しくなく、なんとかこの計画でヨリを戻そうとしていたのですが、奥さんは気に入った案でしたが、旦那がNOと言って計画自体がダメになったそうです。つまりヨリは戻せなかったようです。私にも経験があって、ある地方の住職の息子で、東京で暮らしていましたが、親が高齢になったので跡を継ぐため、自分たちの新居を寺の横に建てて欲しいと言う依頼です。2,3か月事務所に通われて案を練りました。しかしその間、一度も奥さんが打ち合わせに来ません。彼は打ち合わせた案を喜んで持って帰りますが、次に来るときは、奥さんの要求で変わってしまうのです。連れて来たら?と言いましたが、会いたくないと言っていると言います。実は奥さんは東京を離れて地方に行くことが嫌だったのです。「そういう夫婦間の問題は、そちらで早く解決してくれないかな」と思いながら、仕方なく進めていました。平面が決まったら「設計契約」を結ぶと言うことで進めていました。まあ、こちらもいつものことで、付き合って何とかプランが決まりました。そして地元の工務店の概算も取ってOKだと言うので、いよいよ「設計契約」と言うことになりましたが、奥さんはそれでも顔を見せませんでした、工務店も上京してきて、立会いの下、調印しました。彼は嬉しそうに「契約書」とうちの「手付金・50万円」の請求書(基本設計料の一部)を持って帰りました。数日して、メールが入りました。「離婚することになったので、申し訳ないが無かったことにしてください」と。後日「契約書」と「請求書」がそのまま送り返されてきました。橋の欄干じゃあないんだから、タダで寄りかかって二人の仲を話し合うことはやめてください!!


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