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2013年04月29日(月)

私の恩師

私の恩師は二人、安東先生と穂積先生。安東先生が亡くなられて25年が経つので久しぶりに「偲ぶ会」を企画しました。それで、穂積先生に安東先生の思い出を依頼したら、原稿が送られてきました。安東先生は単なるストイシズムの建築家ではなく、貧しい日本では、やっていいことと悪いことがあるという倫理観と、しかしただの清貧ではなく、そこには江戸っ子のしゃれっ気があったと、書かれていました。私が最も学ぼうとした神髄です。そして最後に、私も大学を出て参加した身を削るようなローコストの早大理工学部研究棟の設計に触れ、「与えられた予算がどんなに厳しくても、1円でも超過しないと言うのは安東先生の倫理観であった。同じときに代々木のオリンピック水泳場の建設が進められていたが、聞くところによると倍に近い予算超過で、しかし天下の傑作が出来た。いったい、建築家の倫理はどうあるべきなのだろう。これらは、私立と官立の土壌の違いから咲いた、それぞれの美しい華であった。」と結んでありました。私はこの時、お二人から巣立ったのでありました。


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