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2013年06月13日(木)

工務店の禁じ手が

最近裁判の相談を受けたりトラブルの愚痴を聞いたりする機会が増えて、その関連の本を読んでいて、びっくりすることがありました。工務店が設計図面通りに施工して瑕疵が生じた場合、工務店は責任を免れない、ということだそうです。つまり、この図面おかしいよ、と設計者に言っても建築家が改めない時、それでも瑕疵はあくまで工務店の責任だと言うのです。建築家はホッとするでしょう。しかし、そんなことで甘えている建築家がいるから、実は最悪の崖から落ちることになったのです。つまりこういう但し書きがつくのです。工務店は設計者に「危険」を伝えるだけでなく、施主にも同時に「危険」を伝え「これでは問題がありますよ。」と直接注意をうながさなければ、起こった「事故(瑕疵)」は工務店の責任、と言うのです。即ち工務店が施主に「この設計おかしい」と訴えて、施主自身が「それでもやれ」と指図したら工務店は免責されると言うのです。しかしこれは大問題を含んでいます。私は工務店が設計の「批判」を施主に言うのは禁じ手だと思っていました。それだけは言ってはいけない。最も必要な信頼関係だと思っていました。ところがそうではない判決が出ていたのです。大抵の場合、工務店が設計を批判すれば施主は誰でも不安になり、建築家に不信を抱きます。建築家とは何か、根本から考え直さなければならない時期です。


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