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2013年07月14日(日)

労働基準監督署

「政治討論」で最低賃金の引き上げの話をさかんにしています。それで思い出すのですが、数年前、うちの事務所に突然市の「労働基準監督署」とか言うところから通知がきて、スタッフの給与明細書、出勤簿、労働協定(協約?)など持って来いという通知が来ました。驚きました。(これは以前この欄でも書きましたが改めて思うことがあるので書きます。)うちには毎月の支払い関係の書類しかありません。知り合いの建築家たちに聞いてみましたが、誰もそんなもの来ないと言います。開き直って指定の日時に行くと、まず、月給を見て、何やら計算して、「今年はちょうど最低基準内ですが、来年は最低基準が上がるので違法になります。但し、土日休みで、9時から5時までの勤務でしょうね?」と言います。「は?」と意味が分からず訪ねると、要するに週5日制で、5時以降の残業なしで計算すると、1時間当たりの賃金が最低を割らないギリギリだと言うのです。「土曜休みで残業無しなんてありえないでしょ!」と叫びたいところ我慢。役所では余計なことは言わないのが私の処世術。出勤簿と労働協定は至急作って下さい。「これは貴方の為でもあるのです。もしスタッフが何かの理由で死んだとき、家族が「過労死」で訴えることが増えています。その時「証拠」が揃ってないと、処罰されます。賠償金も請求されます。」スタッフとの信頼関係や、なあなあの関係は遺族には通じないと言うのです。「分かりました」と言って帰り際に「同じ市に同業は沢山ありますが、どうしてうちだけ来たのですか?」と聞くと、「雇用保険にも入ってないんじゃあないですか?」たしかに、「ヒセイキ社員」どころか「丁稚奉公」や「弟子入り」「書生」という建築設計界独特の「制度」がこれまでの建築文化を支えてきたのです。が、ここへ来て、組織的に弱小の建築家への規制が強められていくようで、作品も2020年までには完全に規制で縛る、という話も聞きました。世の「規制緩和」とは逆ですよ。


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