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2013年10月18日(金)

槇さんブームは間違っている

ちょっとまずいムードではないかと思います。先日の「槇さんのシンポジューム」の盛り上がり方や、その後の建築関係の新聞の取り上げ方です。いかにも、槇さんは正しいことを言い、コンペは間違っていた、というムードになっているようです。シンポジュームに予想定員の倍近い建築家が押し寄せて、槇さんの「正論」を是とする、ととられていますが、それはムードです。「必ずしも槇さんの意見に賛成でない」けれど参加したのは私だけでしょうか?よしんばそうだとしても、出席者の何割の人が、敷地と立面図を正確に認識していたでしょうか?つまりろくに知らないことや曖昧な知識で槇さんの吹く笛に踊りながらついていったのではないでしょうか?また、あの敷地の「地域としての歴史的文脈」つまり広範囲に都市や町のスケールでとらえて考える、ということを、審査員の内藤廣が知らなかった、と言うのでしょうか?彼は建築家であると同時に土木の専門家です。彼は知っていたはずです。その上で総合的にあの時点で判断したはずです。槇さんの意見はたしかに一つの正論ではあります。しかし、建築や都市には、正論は一つではないことは歴史的に見ても、世界的に見ても明白です。エッフェル塔やポンピドーセンター、京都タワーや日比谷通り、挙げればきりがありませんが、賛否の意見は一つではありませんでした。

「これを機会に建築家も良く勉強し、考え、意見を言うのだ」と悠長なかとを言う人もいますが、それは今することではないと思います。もしするなら「あれをザッハにどうやったら世界的名建築になるかの提案や、少なくとも資料の提供」、を考えるべきではないでしょうか?それをいかにも「マスコミを使ってもひっくり返す」、という方向は間違っています。しかも「政権が変わって実現しなかった例はあるとか、市長が変わって大変更になった例はある」と司会者が言ってましたが、言語道断。

この際、槇さんがザッハと直接会って、意見交換してはどうでしょうか。その前に、安藤忠雄と内藤廣に会って話されては?軟弱地盤で激震を起こしても、液化現象が起こってろくなことにはなりませんよ。


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