2017年10月05日(木)
名もなき名作
イナミさんが、近くのたまプラーザに林雅子の設計した住宅があると教えてくれたので見に行きました。美しが丘という住宅街にありました。
私のイメージする骨太の大胆なデザインとは違って、ソフィストケイトな感じがする上質に洗練された家でした。住人は替わっていますが綺麗に維持されて、心惹かれる建築でした。
早速「三一書房」の作家全集で調べてみると、1974年までの作品ではなくそれ以降のものらしいことが分かりました。林雅子の生涯の作品集を持ち合わせないので確認できませんが、後半の、もしかしたら晩年の作品かも知れません。
外観で見る限り、初期のものとはずいぶん変化していて、興味が湧きます。
ついでにもう一軒、これは誰だか分からないけど面白い家があるから寄ってみませんかと誘われ、近くの家を見に行きました。これは林さんのとはまったく違って、若い人の若い人向きの家です。しかし見れば見るほど「お主、やるな!」と言いたくなるほど面白い作品で、隅々まで読み込んでいくと、「そんなに頑張るなよ!」と叫びたくなるほど、興奮し、心がかきむしられて、この前の仕事から封印していた何かが湧いてきました。
そういえばイナミさんは、広瀬鎌二の「上小沢邸」も見つけて教えてくれました。ときどき、面白い家を見つけて教えてくれます。
そこで、彼と決めたのですが、「名もなき名作を探訪する会(仮称)」をつくることにしました。そして勝手に顕彰し、メンバーで読書会ならぬ「読建会」を開いて作品を読み込んで楽しむ、そういう会をつくることにしました。