2018年03月08日(木)
’神様’みたいな校舎
たまには建築家仲間だけを意識して書かせてください。
朝日新聞をとっている方なんて少ないかもしれませんが、3月6日の夕刊の11面を見てください。
「‘神様’みたいな校舎」というタイトルで、福島の仮設校舎を正面から撮った写真が出ています。2階建て校舎が、紙面横一杯に寫されています
2Mくらいのピッチで細い鉄骨柱(たぶん120角軽量鉄骨)が並び、その間すべてに1、2階同じ引違窓が横に並んでいます。ところどころに細いブレースが見られます。壁は横張りのボード、屋根はギザギザ屋根。
まさに極限の「ローコストハウス」ですよ。「チキンハウス」のようですが、「チキンハウス」の精神美学とは違って、実質的な極限の「ストイックハウス」です。
「廊下の端っことか結構キシキシなるんだよ。でもね、なんか居心地がいい」「僕たちを見ていてくれる神様みたいな感じがする」と子供たちは言って卒業するそうです。そして4月に仮設の任務を終えて解体されるそうです。
これ、誰が設計したか知りませんが、役所の職員無名建築士でしょう。このリミットデザインには恣意が入る余地がないから「神様」が出来たんだと思います。
この先書き過ぎると失言するといけないので止めますが、あのとき乗り込んで作った有名建築家たちの作品どうなっているでしょうか?神様になっていれば良いけれど。