2019年02月08日(金)
皇室の建築
秋篠宮ご一家の仮住まい「御仮寓所」が出来て報道陣に公開されました。
あきれました。何ですかこれは。
ご一家が宮廷に戻られてからは事務所と収蔵庫になるとのこと。それにしても何ですか、これは。まあ百歩譲って,仮住まいだから収蔵庫で我慢してもらうという事情があるなら、わざわざ報道陣に公開することないじゃあないですか。
いや、私が言いたいのは、皇室に関わる建築は、もっと日本としての姿勢を考えてほしいということです。
小沢朝江東海大学教授が「明治の皇室建築」という注目すべき本を出されていますが、その裏表紙に「維新後、皇族は<洋風>化の手本とされた。しかし明治天皇は<和風>建築だが内部は<洋風>の宮殿に住み、東宮には<和風>装飾が隠された御所が造営された。皇室建築に表現されたものは何か。国家が求めた<和風>空間を探る」と書かれています。
軽率に引用したら叱られそうですが、要するに「皇室建築に表現されたものは何か」が、この収蔵庫には何も無いじゃあないかということが言いたいのです。
設計は誰だ?…書いてありません。良いにつけ悪いにつけ「設計者・建築家」が無視されています。まあ何もやってないから仕方がないか…では済みません。
施工は「清水建設」と出ています。まさか「清水建設」の設計部ではないでしょうね。以前、設計部の若い人に紹介されたら「先生(私のこと)のお書きになった本で随分勉強させてもらいました」だって、私の本を読んだからこんなもの設計した? ヤカマシイ!
まあイイから、本宅…宮廷の方は「皇室建築が表現すべきものは何か」を十分考えて作ってくださいよ。