2020年01月09日(木)
相田武文:「佛」書展
昨夜、相田武文さんの「『佛』書展」のオープニングに行きました。
相田さんは1年先輩で、学生時代からずっと背中を見てきました。真似はできませんが、刺激と元気はもらってやってきた先輩です。
「段象の家」や「積み木の家」で有名ですが、先日の年賀状で、モザイクのような段段が図柄のイラスト写真を見て、やっぱり昔の、初めの頃が抜けないんだと苦笑しました。
ところが行って仰天!
2メートルくらいの幅で50メートルの長さの紙に、裏表、「佛」という字だけを書いていく。書体も何もあったものじゃあない。書の抽象画です。ポロックを抜いたか? 大小、読める字もあるけど崩してあるから言われなければ読めない「佛」もある。すべて「佛」
太い字は筆が無いから箒で書いたという。(清水寺に行って借りてくればいいのに…)
ご自分が設計された真言宗の寺院の参道に50メートルの紙を敷いて、パフォーマンスをしたそうです。年末にやる清水寺より迫力があったに違いない。
会場にはその50メートルと何枚もの「佛」だけを描いた作品がありました。ほとんどが「字」ではありません。
考えました。
凧の糸が切れたんだ。いや切ったんだ、と。設計から吹っ切れた?
糸が付いている時から、相田さんは、大空で静かに上がってはいなかった。くるくる回っているような凧でした。
「吹っ切れる」ということば、類似語を引くと他にぴったりくるのが無い。「奔放」かな? 類似語に「好き勝手」、「思う存分」「好き放題」「心置きなく」・・・これだな…
相田さんの気持ちは全く違うかもしれませんが、昨夜相田さんの背中に見た私の感想・・・
1月13日まで「文春ギャラリー」
(私?凧じゃあない。一度も空に上がったことがない。 地面でガキがクルクル回すコマ。コルビュジェ嫌いの原稿執筆中・・・嗚呼)