2020年06月13日(土)
なんとかハウスから連想した思い出
もう何十年か前の話です。
私の教え子が、市役所の建築課に勤めるようになりました。ある時、仕事が終わる5時過ぎににロビーで待ち合わせて、近くにある喫茶店に出ました。
けっこう広い喫茶店で、客も多く、賑わっていました。私たちは私的な仕事の話で、コーヒーをとって、書類を出して話していました。しばらくすると、ある男性が近寄ってきて、教え子ににこやかに軽く挨拶をして去っていきました。 教え子も軽い会釈で答えていました。
「誰? 知り合い?」
「ええ、今やっている工事の業者なんです」
「何やってんの?」
「市立の小学校の改修工事です。そこをやっている建設会社のひとです」
「ふーん、君が担当しているの?」
「ええ、役所側の監理です」
「ふーん」
しばらくすると、また男性が近寄ってきて、私にもちょっと会釈して
「業者は気を付けろよ」
「分かってます」
「・・・」
なにか言いたそうでしたが、私を気にしてそのまま去っていきました。
「誰?」
「上司です」
打ち合わせが終わって、しばらく話をして席を立ちました。
まあ、今回は教え子の用事で来たので、彼が払うのが自然ですが、教え子ではそうもいかないので「俺が払うよ」と、レジで金を出しました。
すると「もう済んでいるから結構です」とレジの女性が言います。
とまどう私に教え子は「良いんです、行きましょう」と促して、外に出ました。
とっさに、さっきの業者が払ったな、と察しました。
「払っとけよ」と言って別れましたが、虚しい一言です。日常的にマヒしてなければ良いけど。
あいつ今頃どうしているかなあ・・・