2020年07月21日(火)
オンライン 2
最近、大学のオンラインが妙に気になります。 勿論否定の対象として。
世界的には遅れているそうで、やがては教育そのものが変わっていくのでしょうが、今はまだバラバラで、オンライン授業なんて「通信教育」や「放送大学」に毛が生えたようなものなんじゃあないですか・・・(こういうことを言うからバカにされる)じゃあ一級建築士の定期講習会?? あれを家で聴くと思えばいいんでしょ?
しかし私のいう「大学」は、良い時代のものだった。
よく、教師がつぶやいたり、何気なく漏らした本音が、学生にとって忘れられない言葉になることがあります。そんな言葉はオンラインの画像で読むものではないでしょう。
私にも忘れられない、先生から聞いた「教師のひとこと」がありますが、それは置いといて、私も教師の端くれ、何十年ぶりかで会ったOB,OGに「先生の一言が忘れられませんョ」と云われることがあります。
「なんつった?」
「建築家で一番大切な能力は仕事を獲る力だって。仕事が無ければ話にならないって」
「・・・」
(なんと品格の無いことを言ったものだ…他の教授たちは、造形力とか構想力と言ったらしい)
別のOBは
「自分が建築家に向いてるかどうか迷ったら、建築に来るなって」
(良いこと言ったなあ。迷わずやってきてこの程度(この私)だから、迷って来るところじゃあない。今でもそう思います)
実は、私は逆に、学生の「忘れられない一言」があります。
定年で辞めるころ、大学で大改革があって、他学部の学生にも建築の講義を聴かせるようになりました。半年間、文学部の学生に建築論の講義をしました。
偶然、後期の文学部の最後の授業が私の大学における最終の講義になりました。
話し終えて、「これで私の大学の人生はすべて終わったなあ・・・これで良かったんだろうか」と疲れ果てて机のノートを片づけていると、ガヤガヤと帰り支度をしている学生たちを縫うようにして、一人の地味系(本当はブス系と言いたいけれど禁止用語だといけないので)の女子学生が近づいてきました。
「先生、面白かった・・・」
「???・・・」
驚いて顔を上げると、もう後姿でした。
あの女性、今なにをしてるかなあ・・・オンラインなんかとは無縁の仕事だよ、きっと。