2021年10月25日(月)
東京海上火災ビル解体?
前川国男の「東京海上ビル」が解体されるって、本当ですか?
M君がメールで教えてくれましたが、信じられません。
私が建築を始めたころ、日比谷通りにあんな高いビルを建てるのは景観を壊す、といって建築界も世間も、二手に分かれて大論争が巻き起こりました。
つまり日比谷通りというのは、通りに面して三菱地所が建てたビルで、高さが100尺、つまり33メートに抑えられて、揃っていたのです。そういう揃っている景観を壊すのはけしからんと、前川国男が計画した超高層のビルを非難し反対するひとがいたのです。
しかも前面が揃っていたのに、前川国男は広場をあけてセットバックして建てたのです。
前川国男は「風通しが良いだろう」と言って、さらにピロティにしたはず。
もうすっかり日比谷通りは変わっていますが、あのころ反対した評論家も建築家も死んじゃいましたね。感慨深いです。はじめと終わりを見るということは、何とも言えない感慨というか、寂しさを感じます。
俳優の長谷川博己さんの父上、有名な建築歴史家で評論家でしたが、たしか反対派。
あの方私のデビュー作「ビラ・クーペ」をけなした最初の人。「貴方は実際に行ってみたのか!?」とかみついたことからお付き合いするようになりましたが、生きていらしたら、感想が聞いてみたかった。そして言いたかった「論ずるより現実が強し」
それにしても日本の建築、壊すの早すぎません?
たしか同じ時期、パリの「ポンピド―センター」も出来たはず。サーリネンの「TWAターミナル」も「ロンシャン」も「マルセーユのユニテ」もそれより古いはず。まだ健在じゃあないですか。
意外に「新国立競技場」100年持ったりして・・・クワバラクワバラ