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2022年08月25日(木)

「優先席」と「専用席」

うちの奥さんは、私と反対で知らない人に気軽に話しかけたり話をします。決して社交家ではありませんが、私に無いキャラクターの持ち主。

 それが昨日田園都市線で、坐るところが無く「優先席」の前に立っていた。そこに背中の曲がった老人が乗ってきたのに席が無い。立っていたら、次の駅で前の席の人が降りて、席が空いた。おもわず「オジサン! 空きましたよ! どうぞおかけになって」と言ったらしい。すると老人「あなたの方が上じゃあないんですか? どうぞ」というから「どうぞどうぞ坐って」と坐らせたらしい。老人は礼を言って坐った。次の駅で後ろの席が空いたので、坐って老人を見ると、なにか紙を出して一生懸命描いている。やがて降りる駅で降りたら、老人も「あ、乗り越した!」と言って、一緒に降りて、「有難うございました」と丁重に礼を言われ、何やら描いていた紙と名刺をくれて、反対のホームに乗り換えたとか。

 もらったハガキ大の紙にはサインペンで実に達者にスヌーピーが喜んでいる絵と、自分がマスクして喜んでいる絵が描いてあって、英語で Thank  you  very  much!  Obasan arigatou! と書いてあります。 

 なんじゃ これは! と言いながら名刺を見ると「東京工業大学 名誉教授」とあります。 「なんじゃ この方は! この方にオジサンと呼んだのか?」と大笑い。

 「そう言えば絵が好きだと云っていた」 なるほど、このスヌーピーは面白い。良く書けている。

 念のためにインターネットでこのオジサン調べたら、業績蘭の論文がバーっと何十という数、賞も幾つもとって、団体の会長や理事長も務めていらっしゃる。ビックリ仰天!

 なんでこんな話を書いたかと言うと、こういったやり取りを、老人同士席を譲りあっている間、「優先席」の若い人は知らん顔だったそうです。

 知らん顔は当然でしょう。通勤時間ではないけれど、若い人は働いて疲れているのに、席なんか譲れるか!という気持ちでしょう。「国葬で一緒に葬ってやる!」と言われないようにしなければなりません。

 でも、車の運転も取り上げて、少しでも気を使ってくれるなら「優先席」ではなく、「専用席」と変えてくれませんでしょうかねえ。バカは「優先」の意味が分からないようですから・・・。

 


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