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2022年10月29日(土)

「木造の東京は、過去」にしなければ。

 今朝の朝日君の「全面広告」を見てビックリ仰天!

 木造をウリにしている大手のハウスメーカの広告ですが、ビルの一部(しか写真で分からない)が、全面木材の装飾で覆われている。その木材の装飾は、たぶん5,60センチくらいあると思われる木材の十字型で、それがビル全面を覆っているようです。その十字がびっしりビルを隠しているから、中の窓も壁も見えません。(十字架で覆われたビルだから、キリスト教関係の納骨堂かな? 間違ったら御免なさい)

 どういうわけか屋上に男性がふたり立っていて、その横にこの広告の意思表示でしょう大きな字で「木造の東京は、過去か未来か。」ですって。

そして、小さい字で、「これからは建物を建てることを、木を植えるって考えてみたらどうだろう。木のビルを植える。すると、この街が別の顔に見えてくる。(後略)」

 私は、トンデモナイ! 「木造の東京は過去にして!」 と答えたい。

 木材で都市をつくることは、大反対です。

 今御活躍の建築家のみなさん! 良いんですか? よく考えてください。 

 東京に直下型地震が来て、東京が火の海になった時、後悔しても遅いのです。責任は建築家です。

 私は今、仕事をしていないから、今日の技術を知らない。資格が無いかも知れませんが、間違っていたら、教えてください。

 私が鉄骨造でつくった最後の建築は、10年くらい前でしょうか? その時、鉄骨に耐火被覆をして仕上げ材を貼るのがイヤで、なんとか塗装だけにしたかった。それでいろいろ調べましたが、鉄骨の耐火塗料が許可になったばかりか、まだできなかったかギリギリでした。しかもそれは鏝で塗るような、厚いもので、非常に高価でした。

 だから、あれから今日までで、木材用の木目が見えるような薄い塗装で、耐火性能が充たせる塗料が、ビルの外装に使えるようになったとは、到底思えません。

「吉田さん!構造体と装飾をごっちゃにしちゃあダメだよ。木材で作っているのは装飾だから、そういう規定は無いんだよ・・・」

「黙りなさい! 隈さんみたいなこと云うんじゃない!」

 それはあくまでも建築基準法の、法律の問題。

 このビルのように、装飾で壁面に何千個と十字架をぶら下げているビルが火に包まれる光景が想像できないのですか?

 そもそも50年も経たない現代建築が、寿命とかでどんどん壊されている。 木造で構造も装飾も作られる建築は、30年もしたら、木も枯れはてて、みじめな廃小屋になりはしないか? 2,30年なんてあっという間に来ます。後期高齢者の実感です。

 表参道の角のあのビル、大きな木材の板をぶら下げていますが、あれあと10年でどうなるか見ものですね、どうなるか。

 


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