2023年02月04日(土)
丹下健三の建築の維持
丹下健三設計の例の舟形の体育館が、とうとう解体されるそうですね。
どんなに建築家、学会が名作だからと言っても、いろいろ故障が表れたり、維持費が払えない、修理費が出ない、と言われたら、どうにもならないのでしょう。
「そうか、思いとどまろう」といった建築がありましたか?
帝国ホテルだって、どこか明治村とかに移設されて、いかにも命拾いしたようですが、昔を知る人は、「まったくダメになった」と言います。あの日比谷通りから池に入るところが良かったんです。場所を移して「物」だけ残してもダメだという見本でしょう。
ところで名建築でなくても、普通の住宅、維持に金がかかりますよ!
前にも書いたと思いますが、蛇口のパッキンがダメになったので変えようと思ったら、業者が「この機種はもう無いから部品もない。全取り換えしなければダメです」と言う。
「蛇口幾ら?シャワー付きで」
「9万8千円です」
「ナニー!!」
「ニューウェーブタイプです、先生が好きそうな・・・」
話になりませんが何も付いていなくても、まあ4,5万円は覚悟しなければ。
そう言うわけで、家というものは、4,50年経つと、あっちこっちと直さなければならないのです。4,5万から10万くらいは、しょっちゅう出て行く気がします。
うちから見えるコギレイな住宅はまだ10年くらいなのに、屋根と壁を塗りなおしました。住んでいる方は、まだ50歳そこそこではないでしょうか、働き盛り。お若いから良いけど、70歳80歳になってからは、50万から100万円は、もうできません。何事も維持費を考えておかないと大変なことになるという話。
東京都さん! ソーラーパネルの修理費と、都庁舎の大規模修繕と一緒になって、10年後 地獄ですよ。